さとうきびの一年

はじめに

サトウキビの植付には「春植え」、「夏植え」があります。植付時期や生育期間、労働力、収穫量など違いがある為、
農家の皆さんそれぞれ自分にあったキビ作りをしています。

また、キビは植付~収穫を行った後、最初の苗からまた芽が出てくるので新たに植付を行わなくても3~4回収穫することができます。この栽培方法を「株出し」といい、毎年植付をしなくていいので労働力が軽減できます。

春植えの流れ(3月~翌3月まで)

夏植えの流れ(7月~翌々3月まで)

農家の栽培例

農家Aさん

私はさとうきび専業農家です。栽培面積は約6,000坪で、春植え株出し4,000坪と夏植え2,000坪。品種は早期高糖性などを組み合わせ、収穫する際になるべく糖度が高く良い状態で出荷できる様にしています。また、管理作業では夏場の干ばつの時期の散水・除草・肥培管理などを徹底して行っており、高糖度・多収量アップを目指しています。いつかさとうきび競作会の農林水産大臣賞がとれるよう頑張っています!


農家Bさん

私は普段はサラリーマンとして働いて、兼業でさとうきびを栽培しています。面積は600坪で、土日を利用して楽しみながらやってます。最初はまったくの素人でしたが、製糖工場、JA、生産組合の方などから栽培に関するいろいろなアドバイスを貰い、今は立派なキビを作れるようになりました!収穫時期は副収入もありますし、定期的に畑に出ることで健康にも良いので、一石二鳥です。定年退職後は今よりもっと面積を広げて、本格的にやってみたいですね。

さとうきび・収穫までの流れ

1砕土/さいど

植付前に畑を耕します。できるだけ深く掘り、
土を細かくすることが生育や管理に影響しますので、ていねいに行うことがポイントです。

2畝立て・基肥/うねたて・きひ

苗の植付準備です。間隔120cm~135cm
(機械収穫を行う場合140cm以上)、深さ30cm程度にします。
また、この時に植付前の肥料散布を行います。

3植付/うえつけ

植付ける苗は2節ずつ切って植えます。 主に機械で植付を行いますが、小規模の畑では手作業ですることが多いです。

イネ科のさとうきびは根もと(株かぶ)から1本、2本...と新しい茎が出てどんどん大きくなります。収穫後も株から芽が出るので「株出し」とよばれます。

4発芽

一般的に2~3週間で発芽しますが、苗・土壌・ 天候によっては発芽不良となる場合もあり、 欠株があれば必ず補植を行います。

5追肥/ついひ

2回めの肥料散布です。 春植え・株出しの場合は梅雨時期までに腰の高さまで成長させ、
根から養水分をたくさん吸収できるようにします。

6培土/ばいど

ある程度成長したら土よせをします。

地中の節数を増やし、根の発生を促進させます。

また、畑の排水や台風時の倒伏を防ぐ効果があります。

7除草・防除・灌水/じょそう・ぼうじょ・かんすい

その他管理作業です。農薬、除草剤を散布するなど害虫からさとうきびを守ります。

また、夏場の干ばつは大きなダメージを与えるので早めに水をかけるようにします。

8出穂/しゅっすい

11月中旬、冬が近づくにつれ花がさき始めます。出穂は成長を止め、糖分をたくわえ始めた合図で、いよいよ収穫時期を迎えます。

9収穫/しゅうかく

製糖工場の操業に合わせて。人力・機械(ハーベスター)で収穫します。

品種により成熟する時期が早いもの、遅いものがありますので、うまく組み合わせて糖度が高いものから出荷するのが収入アップにつながります。

10積込・運搬/つみこみ・うんぱん

収穫されたさとうきびはトラックに積み込まれ製糖工場へと搬入されます。
工場でまず最初に重量、糖度、トラッシュの測定が行われ、さとうきび代金が決まります。